・時間をかけずに集客したい…
・時間をかけずに新規事業を始めたい…
・Webを通して戦略思考を身につけたい…
上記の疑問・悩みを解決します。
WebサイトM&Aは、企業の吸収・合併と同じようなもので、Webサイトの買収のことを指します。通常Webマーケターは、Webサイトを成長させるためのマーケティング戦略とオペレーションの全責任を担いますが、その先には常に売上増加による事業の成長が最優先となります。
本記事で説明するWebサイトM&Aについて理解することで、価値の高いWebサイトを作るために必要なことを逆算するマインドが身につき、Webマーケターとして高いマインドを身につけることができます。
今回は、WebサイトのM&Aについて以下のことを説明したいと思います。
・WebサイトM&Aの概要・仕組み
・WebサイトM&Aのメリット・デメリット
・価値のあるWebサイトの基準
・WebサイトM&Aの事例
・M&Aに関するおすすめ書籍
ページコンテンツ
WebサイトのM&Aとは!?
WebサイトのM&Aとは、文字通りでWebサイトの売買(買収・売却)のことを指し、Webサイトの運営管理者のもつ全ての資産を売却希望者に譲渡し、金銭を受け取るような取引を指します。
WebサイトM&Aの仕組み
企業のM&Aと同様に仲介会社が間に入ることがほとんどです。最近では、WebサイトM&A専門のマッチングサイトがあり、Webサイトの売却希望者がWebサイトを掲載し、Webサイトの買収希望者が興味のあるWebサイトを見つけて交渉することになります。
仲介料は、Webサイトの規模にもよりますが、「基本料金+取引金額×10%」などのように仲介業者ごとに金額が異なります。
Webサイト売却の相場
Webサイトの売却価格は、売却希望者の提示する売却希望価格に、買収希望者が承諾すれば、この時点で取引が成立することもあります。
しかし、通常はWebサイトの利益(ほとんどの場合売上総利益)の20ヶ月分がサイトの市場売却相場価格となります。
WebサイトM&Aのメリット・デメリット
WebサイトM&Aにおけるメリットとデメリットについてかで説明します。
WebサイトM&Aの売り手のメリット
Webサイトは高く売れます。市場相場が月間利益の20倍くらいですので、短期間で一気に売却益を得ることが可能です。
また、Webサイトの売却相場は、Webサイトの月間利益の20ヶ月分が相場とされていますので、もし仮に月間100万円を売り上げるWebサイトを2億円で売却できたとすると、さらに大きなスケールのビジネスを展開することが可能です。
さらに、ある程度の高値でWebサイトを売却することができれば、Webの専門家としての評価も大いに高まります。Webサイトのプロとしてあらゆる案件へのお誘いも増えるはずです。
WebサイトM&Aの買い手のメリット
Webサイトの買収は単純に1つの事業を買収することを意味します。つまり、Webサイト買収で売上・利益を増やすことが可能です。
また、すでに自社の事業を運営している場合には、買収先メディアが持っているユーザーを手に入れるためにWebサイトを買収するということもあり得ます。自社のビジネスと買収先メディアのユーザーとの関連性が高ければサイト買収により自社事業が得ることのできるメリットはさらに大きくなります。
WebサイトM&Aの売り手のデメリット
Webサイトのビジネスモデルによりますが、トラフィックの多いサイトであれば、月間に数十万円の売上をあげているはずですので、この固定収入がなくなるのはデメリットになるでしょう。
また、どのWebサイトでも売却ができる訳ではありません。WebサイトM&Aでは、買い手側が要求するWebサイトの高い基準があります。トラフィック(セッション数、ユーザー数、PV数)だけでなく、月間売上、コストなどを見定めた上で、本当に収益性のあるサイトが売却可能となります。
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WebサイトM&Aの買い手のデメリット
Webサイト買収では、サイトの買収額が高いので初期投資に多額の金額を用意する必要があります。基本的にはデューデリジェンスを適切に行ってから買収を行うことになるため、リスクはある程度軽減できますが、購入後にアクセス数が下がる外部要因が起こるようなリスクがあります。
価値のあるWebサイトの基準とは!?
サイト売買についてある程度わかったところで、みなさんが気になるのが「どのようなサイトが評価されるのか」に関することかと思います。
以下では、WebサイトM&Aで評価されるサイトの特徴を3つ説明します。
1: 営業利益が月間30万円以上出ている
営業利益が月間30万円以上のサイトは高く評価されるようです。WebサイトM&Aでは、個人が運営しているWebサイトの売買取引も行われることがありますので、月間30万円以上稼げているサイトは非常に高収益サイトであると見なされます。
ただし、最近のサイトM&Aでは、サイト希望売買金額100万円以下のサイトが人気なようです。つまり、月間30万円以上稼げるサイトは、市場価値が600万円以上(20ヶ月計算を想定)となるので、少し売買のハードルが高くなるかもしれません。
2: 利用ユーザー属性が特化している
Webサイトの利用ユーザがWebサイトのカテゴリに近いことは非常に重要です。当たり前ですが、企業が買収対象とするようなWebサイトは、その企業の事業ドメインと同じか、近い領域である方がシナジーが見込めるため、買収サイトの利用ユーザーは特定の領域に特化したユーザーであることは非常に重要です。
3: ホワイトハットSEOで高難易度キーワードで上位獲得している
ITデューデリジェンスが必ず行われ、サーバーの状態やセキュリティチェックの他にSEOのリスク調査が行われます。
ここでブラックハットSEOに特化した対策を行っていると、買収希望企業としては、買収後にSEOの順位が一気に下がることも懸念されるため、ホワイトハットSEOで検索上位を取れていることが大切です。さらにキーワード難易度が高ければそれほど評価は上がります。
また、中小企業診断士としてご活躍しながらWebマーケティングにも携わる方の下記のメディアが参考になります。
参考サイト: トーマツの二刀流サラリーマンブログ
WebサイトM&Aの事例
WebサイトのM&Aは日本国内でも頻繁に行われています。以下で有名な事例を紹介します。
事例1: じげんの「アップルワールド」買収(14億3900万円)
ライフネットメディア事業を手がけるじげんの旅行関連事業強化のためのメディア買収となります。株式譲渡という形で、アップルワールドのホテリスタを買収しています。
事例2: 東証一部上場企業「資金調達プロ買収」(6億2000万円)
福田拓哉さん(現ファウンダー株式会社 代表)が個人で運営していたWebサイトを3年間育て上げ、東証一部上場企業に6億2000万円で売却した事例です。
個人運営のWebサイトの中では最大規模の買収額でかなり衝撃的なサイトM&Aと言えます(福田さんの書籍を後述)
WebサイトM&Aに関するおすすめ書籍
WebサイトのM&Aに関する書籍はあまり多くありませんが、Webマーケターが読むべき書籍2冊を紹介します。
① 30歳の私が運営歴3年のアフィリエイトサイトを6億2000万円で売却するまで
著者の福田拓哉さんは、資金調達プロをご自身で3年間運用し、6億2000万円で上場企業に売却した経験のある実力者です。
この本では、運営サイトの価値を高めるコツやサイト売却がビジネスパーソンとしてどのように上のステージへ引き上げてくれるのかを福田さん自らの経験からリアルに語ってくれます。
ちょうど今Webアフィリエイトで収益をあげたいというブロガー初心者の方にとってはたくさんの学びが得られると思います!!
② トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実
M&A自体が大企業だけでなく、中小企業で行われることが多く、中小企業におけるM&Aの実態について理解を深めることができます。
M&Aの実務的なことは書かれていなくて、事業売却で自社事業の価値(バリュエーション)を上げるためのコツが書かれています。
本書を読むことで、自社でどのように振る舞えば事業価値を高められるかを株主目線で考える癖が身につくので超おすすめです!!
WebサイトM&Aを理解して戦略家になろう!!
本記事では、WebサイトのM&Aについて詳しく説明しましたがいかがでしたでしょうか? ここまで説明した内容を以下でまとめたのでご参照ください。
1) WebサイトのM&Aとは!?
Webサイトの売買(買収・売却)のこと
2) WebサイトM&Aのメリット・デメリット
a: WebサイトM&Aの売り手のメリット
・短期間で高額の売却益を得られる
・売却益を元手に新規ビジネスを始められる
・ビジネスパーソンとしての評価が上がる
b: WebサイトM&Aの買い手のメリット
・売上・利益の増加
・ユーザー獲得
c: WebサイトM&Aの売り手のデメリット
・固定収入がなくなる
・買収に伴うガバナンス遵守
d: WebサイトM&Aの買い手のデメリット
・サイト買収額が高いので初期投資に多額の金額が必要
3) 価値のあるWebサイトの基準とは!?
・営業利益が月間30万円以上出ている
・利用ユーザー属性が特化している
・ホワイトハットSEOで高難易度キーワードで上位獲得している
Webマーケターとして、サイトM&Aについて理解することで、Webサービスの事業価値を客観的に評価でき、サイトをグロースさせるために必要なことが見えてきます。
また、戦略的思考が身につくことでWebマーケターとしてさらに高みを目指すことが可能になります。これを機会にみなさん自身が今関わっているメディアの事業としての価値を見極め、事業家視点を持った上でWebマーケティングオペレーションを遂行していただけたらかなり成長できると思います。