・どうやって計算するのだろうか!?
・どのような時に使うのか!?
上記の疑問・悩みを解決します。
ライフタイムバリュー(LTV・顧客生涯価値)とは、自社の顧客が生涯でどれほどの自社製品・サービスを購買するかを金額で可視化したマーケティング指標です。
ライフタイムバリューについて理解しておくと、顧客獲得単価(CPA)を組み合わせて、必要な広告費を算出できます。
今回は、ライフタイムバリューの概要に加え、計算方法や活用方法について解説します。
・ライフタイムバリュー(LTV)とは
・ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
・ライフタイムバリュー(LTV)の活用方法
・ライフタイムバリュー(LTV)を改善方法
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ライフタイムバリュー(LTV)とは!?
ライフタイムバリュー(LTV)とは、1人もしくは1社の顧客が取引を開始してから終了するまでにどれだけの利益をもたらすかを数値化したものです。
例えば、ユーザー1人あたり年間売上が8,000円だとして、ユーザーがサービスを2年間使うものとすると、ユーザーのLTVは平均的に16,000円(=8,000円 × 2年)となります。
LTVは正確な数字ではないですが、この数字を元にして事業成長の将来予測を立てやすくなりますので多く活用されます。以下にて具体的な計算方法や活用方法について説明します。
ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法にはコストを含めない計算方法とコストを含める計算方法の以下の2つの方法があります。
① LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間
② LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間 – (新規顧客獲得コスト + 既存顧客維持コスト)
それぞれの要素については以下をご参照ください。
平均顧客単価・・・顧客がサービスに支払う金額
収益率(利益率)・・・顧客単価のうち原価を除いた利益分の割合
購買頻度・・・定められた単位期間における購買回数
継続期間・・・定められた単位期間の数
新規顧客獲得コスト・・・新規顧客獲得にかかる費用(例: 広告費)
既存顧客維持コスト・・・既存顧客維持にかかる費用(例: メルマガ運用費用)
ライフタイムバリュー(LTV)の活用方法
ライフタイムバリュー(LTV)は、いくつかのマーケティング施策で活用することが可能です。
活用方法1: 顧客獲得コスト(CPA)の最適化
ライフタイムバリュー(LTV)と活用することで、新規ユーザー獲得にいくらのコストを利用できるのかを計算することができます。
例として、新規ユーザー獲得コストが5000円であるとして、年間にもたらす収益が3000円だとしたら、ROIが60%(=3000円/5000円)のため、投資効果が悪いです。しかし、この新規ユーザーが2.5年サービスを利用すると仮定すると、収益は7500円となるため、ROIが150%(=7500円/5000円)となり、投資効果があると言えます。
このように、単年度で考えると投資効果が見合わないケースでも、ライフタイムバリュー(LTV)を活用することで、製品やブランドとの長期的な関係の中で投資効果が見込めるものと捉えることができます。
活用方法2: 顧客獲得までの期間設定
上記の計算でもあるように、CPAとROIを見ることでライフタイムバリュー(LTV)をもとに顧客獲得までに必要な期間設定をすることが可能です。
活用方法3: セグメント別投資判断
ライフタイムバリュー(LTV)は、ECサイトなどのユーザーセグメント別で最適投資判断を可能にします。
CRMを有効活用することで、キャンペーン時獲得、男女、年齢などの顧客セグメントでライフタイムバリューを比較することができます。
もっともライフタイムバリュー(LTV)の高いユーザーセグメントに対してより多くのリソースを投下することも可能になります。
ライフタイムバリュー(LTV)を改善方法
ライフタイムバリューは、先述した構成要素を考慮すると、改善方法が簡単理解が可能です。
LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間
改善案1: 「平均顧客単価」を上げる
a: 製品/サービスの単価を引き上げる
製品/サービスの単価を引き上げることでLTVの改善が期待できます。
ただし、ユーザーにとって製品/サービスの値段は選択要素の中でも優先度の高い要素の1つです。そのため、値上げによってユーザー離れが起こる可能性も想定しておきましょう。
b: 製品/サービスのラインアップを増やす
製品/サービスのラインナップを増やすことで、LTVの改善が期待できます。
複数の製品の選択肢を与えることによって、顧客単価は上がりやすくなります。Webサービスにおいても、有料プランが1種類だけでなく3種類あったら、「松」「竹」「梅」で値段に差をつけて、高単価で購買させやすくなります。
c: 購入点数を増やす
1点ものの購入ではなく、購入点数を増やすことで、LTVの改善が期待できます。
価格を上げることはユーザーの離脱を招く可能性が高いです。そのため購入点数を増やす方が割と導入しやすかったりします。ECサイトではレコメンド機能などがよく利用されます。
改善案2: 原価を下げる
d: 広告費の削減
Webサイトであればユーザーの流入を増やすために多大なデジタル広告費を支出しているはずです。広告費を抑えることで原価率は下がるため、LTVは改善されます。
e: 保守・運用費の削減
Webサイトなら定期的な更新費用(人件費、運用費)や、システムの保守費用にもコストがかかります。これらはWebサイトの運用のためには不可欠な作業ですが、割高になることが多いので、効率的な支出を行う必要があります。
改善案3: 購買頻度を上げる
f: リマインドメールの送信
リマインドメールを送信することで、LTVの改善が期待できます。
ユーザーが商品を買いたいと思うタイミングでリマインドメールを送信することでユーザーがサイトにランディングし、商品購入確率が上がります。
g: リターゲティング広告の活用
リターゲティング広告を活用することで、LTVの改善が期待できます。
リターゲティング広告は、一度サイトに流入したユーザーに対して広告ネットワークを通して広告を表示させる技術です。リターゲティング広告はあらゆるWebサイトで表示されるため、ユーザーに自社サービスの存在を再認知させやすいです。
改善案4: 継続期間を増やす
h: メールマガジンの配信
メールマガジンの配信で、LTVの改善が期待できます。
一度商品を購入して時間がたったユーザーに対してメールマガジンを定期的に配信することでWebサイト流入が期待できます。この時に、キャンペーン情報や商品情報の情報だけを掲載しすぎると、ユーザーの離脱を招きます。商品カテゴリに類似した記事コンテンツなどが受けることが多いです。
ライフタイムバリュー(LTV)を理解してWebマーケティングの達人になろう!!
本記事では、Webマーケティングで重要なライフタイムバリュー(LTV)について説明しましたがいかがでしたでしょうか?
本記事の内容を以下にまとめたのでご参照ください。
ライフタイムバリュー(LTV)とは!?
1人もしくは1社の顧客が取引を開始してから終了するまでにどれだけの利益をもたらすかを数値化したもの
ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
1) LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間
2) LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間 – (新規顧客獲得コスト + 既存顧客維持コスト)
ライフタイムバリュー(LTV)の活用方法
・製品/サービスの単価を引き上げる
・製品/サービスのラインアップを増やす
・購入点数を増やす
・広告費の削減
・保守・運用費の削減
・リマインドメールの送信
・リターゲティング広告の活用
・メールマガジンの配信
ライフタイムバリュー(LTV)を改善方法
・顧客獲得コスト(CPA)の最適化
・顧客獲得までの期間設定
・セグメント別投資判断