最近は、日本の書籍だけでなく海外の専門書を読むようにしています。今ちょうど仕事で1つのサイトのコンテンツマーケティングのディレクションを行なっているので、改めて最先端のアメリカで実践されているコンテンツマーケティングに関して記載されている「Practical Content Strategy & Marketing」を読むことでインプットしようと考えました。

また、本書は有料オンライントレーニングの教科書としての役割もあるようですが、今回は読了する目的で利用しました。

コンテンツマーケティングの台頭

コンテンツマーケティング自体は、近年大変注目されているデジタルマーケティング手法の1つでして、Googleのパンダアップデートによりコンテンツの質がさらに見直されるようになり一般に広まり始めました。これだけでなく、米国や韓国などでは、ユーザのメディアリテラシーが年々高まってきていることを受けてデジタル広告のクリック率が下がってきているという話もあります。

このような流れの中で、多チャネルの現代であっても今一度検索エンジンからのオーガニック流入が注目されていて良質な記事コンテンツをオウンドメディアで投稿することで、ユーザをナーチャリングし、コンバージョン(成約)まで持っていこおうとする流れが加速してきています。

私自身、前職がコンテンツマーケティングファームでしたので、オーガニック流入から大量の成約を獲得するようなクライアントの成功事例を幾度と見てきましたが、一度検索エンジンで上位に食い込んでしまえば、継続的にインバウンドで問い合わせが来続ける状況が続き、リスティング広告などと比べると大変コストパフォーマンスの良い施策であることは認識しています。

Practical Content Strategy & Marketingに対する期待と実感

本書を読むにあたって、注目した点としては、本書および著者の知名度、またコンテンツマーケティングのフレームワークを期待しました。また、日本とアメリカのコンテンツマーケティングの違いなどがわかると私が渡米(正確にはカナダ)した時に役に立つかなと思っていました。

米国が注目するコンテンツマーケターのJulia McCoyの力作


Search Engine Journalと言うメディアがあるのですが、このメディアのポッドキャストで本書の作者であるJulia McCoyの存在を知りました。ポッドキャストのリンク

米国テキサス州にて、19歳にして個人Webライターとしての活動を開始し、21歳でExpress Writersと言う記事コンテンツ制作会社を立ち上げ、8年で90名のスタッフを抱えるような会社まで成長させた敏腕CEOです。大変多くのクライアントをアウトバウンド営業で獲得するわけではなく、ほとんどすべて彼女の作成したコンテンツから流入し成約させたということで、驚きです。

また、若手のコンテンツマーケターとして大変注目されており、Forbesでもthought leaderに選ばれていて大変ホットな方です。本書は著者であるJulia McCoyの経験に基づき、コンテンツマーケティングのイロハを詰め込んだ書籍として出版されたものです。

世界で活躍するプレイヤーが使うフレームワーク・モチベーションがわかる

やはり最新のビジネスは以前として米国で生まれることも多く、それに伴いマーケティング手法も進化して行くことを考えると世界標準となるフレームワークは世界で活躍している方の著作から学ぶべきだと考えました。

一般的なコンテンツマーケティングのフレームワークとしては、ペルソナを定義した後にカスタマージャーニーマップを定義して、ユーザ購買心理フェイズごとにリードナーチャリングするための適切なコンテンツのコンセプトを定義するなどのやり方をします。

こんなことはわかっているのですが、具体的には

  • どんなツールを使っているのか?
  • フレームワーク以外に大切にしているエッセンスはあるのか?
  • 失敗例などはあるのか?

と言ったようなその辺のサイトに載っていないようなことを吸収したいというモチベーションで読みました。

Practical Content Strategy & Marketingでの学び

はじめに言及しますが、本書は結構SEOの基本的な内部対策と外部対策の話などが多く、コンテンツマーケティングの中でもSEOに占める記載が多いことが先に触れておきます。読み進めていく中でとても役に立つと思ったポイントを順次ピックアップしました。

コンテンツにおける専門知識を差別化要素(CDF)と結びつけることの重要性

Tying Your Content Expertise to Your Content Differentiation Factor (CDF)

McCoy, Julia. Practical Content Strategy & Marketing: The Content Strategy Certification Course Student Guidebook . Julia McCoy. Kindle 版.

自身のサイトが他のサイトと比べてどのように優れているか、どのように異なっているかをわかるようなサイトであるべきだと言うことです。

昨今では、一つの検索ワードを入れると似たようなコンテンツが大量にありますよね!? これらの類似コンテンツを扱うサイトと同じだとユーザが失望して一生読まれないゴミコンテンツ同然です。他との差別化を戦略的に考えることが大切です。

私のサイトで言えば、ちょっと雑記にしすぎていますが、強いて言うなら、SEOを扱っているサイトでありながら、データサイエンス関連、海外関連コンテンツを散りばめている点であると考えています。実は国内のSEOアナリストでこの領域に踏み込んでいる人は少ないです。よくあるのが、Webデザイン関連との掛け合わせか、Webライティング関連との掛け合わせかと思っています。

キーワード調査にオススメのツール

一応、ここに関しては自分でも使っているツールがあるので、参考程度にピックしました。

Four of my top recommended keyword research tools are:

  • KWFinder (by Mangools)
  • SEMrush’s Keyword Analytics tool
  • Moz Keyword Explorer
  • Ahrefs Keywords Explorer

McCoy, Julia. Practical Content Strategy & Marketing: The Content Strategy Certification Course Student Guidebook . Julia McCoy. Kindle 版.

KWFinderはキーワード調査に利用しています。主に、対策キーワードの検索vol.を見たり、SERPsを見たりすることが可能です。その他のツールもだいたいできることは同じですので、これらのツールの中から何か1つでも使っていればグローバルスタンダードを実現できていると言うことで個人的に満足していますwww

コンテンツ監査の重要性について

日本の事業者でも頻繁に言われることですが、戦略を立てて実行しても、立てた戦略や目標通りに動いているかの効果測定がきちんとなされていないと言うことです。本書においても著者は以下のように述べています。

Very often, marketers post content—and never go back to it again. Many years later, this content becomes outdated, stale, missing vital points of optimization, and even completely irrelevant. Returning to content periodically and reviewing it ensures that everything stays optimized and capable of ranking and conversion.

McCoy, Julia. Practical Content Strategy & Marketing: The Content Strategy Certification Course Student Guidebook . Julia McCoy. Kindle 版.

「多くの場合、マーケティング担当者はコンテンツを投稿し、二度とそのコンテンツに戻ることはありません。数年後、このコンテンツは時代遅れになり、古くなり、最適化の重要なポイントが失われ、完全に無価値なものにさえなりえます。定期的にコンテンツに戻って内容を確認し、すべてが最適化され、ランキングとコンバージョン(CV)ができる状態であることを確かめる必要があります。」

作ったら作りっぱなしの一番悪い状態です。必ずKPIを確認するためのトラッキングをする必要があります。

まとめ

まず当初私が読む前に期待していたよりも日本とアメリカのコンテンツマーケティングに差はないと思いました。これがある種の収穫でもありますが….www

コンテンツマーケティングを行う時の戦略、計画設計、実行、運用の全フェイズにおいて気をつけるべきことなどが細かく書かれていたことは大変良かったです。また、ライターは経験者に書かせるべきというのも自身の経験からわかっているのですが、改めて書かれていたので、絶対に守る必要があると痛感しました。

Webディレクターとして、コンテンツマーケティングに従事されている方にはとてもオススメです。ぜひ読んで見てください。