こんにちは、宮田(@webkirin)です。
上記の疑問に答えるべく本記事では、以下について説明します。
① ベンチャー企業の離職率の平均
② ベンチャー企業の離職率が高い理由
③ 満足のいくベンチャー転職ができるポイント
本記事を読んでいただけますと、ベンチャー企業の離職率が高い理由について、また満足いくベンチャー企業転職のポイントについて理解できます。
本記事の想定読者は以下となります。
・ベンチャー企業への入社を検討している人
・ベンチャー企業がブラック企業なのか気になっている人
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ベンチャー企業の離職率
ベンチャー企業の離職率は、一般企業の離職率と比べて高いと言われています。しかし、ベンチャー企業の明確な定義がなく、ベンチャー企業のみの離職率データがないため明確にどのくらいの差があるのかは分かりません。
厚生労働省が発表するデータ(令和2年)によると、事業所規模ごとの離職率は、事業所規模1,000名以上が13.3%、30〜99名以下が15.7%、30名以下が13.3%でした。
事業所規模1,000以上を一般企業、事業所規模30〜99名以下、30名以下をベンチャー企業としても、離職率には大きな差がありません。そのためベンチャー企業の離職率が高いと言われる理由をみていきましょう。
事業所規模別の離職率
事業所規模ごとの離職率は、事業所規模1,000名以上が13.3%、30〜99名以下が15.7%、30名以下が13.3%と、平均すると14%ほどです。
しかし、厚生労働省が発表する(令和2年)大学卒業後3年以内の事業所規模ごとの離職率は、事業所規模1,000名以上が24.7%、30〜99名以下が39.1%、30名以下が49.4%となっています。
年齢が若い人ほど企業への定着率が低く、事業所規模が小さくなるほど離職率が高い傾向にあります。事業所規模が小さいベンチャー企業へ入社する人は、若手が多いためベンチャー企業の離職率は高くなっているのかもしれません。
ベンチャー企業は離職率が高い4つの理由
ベンチャー企業の離職率が高い理由は以下の4つです。
- 業務内容が多く仕事についていけなかった
- 社内環境の不整備
- 起業するための準備期間としている人が多い
- 会社都合で自分のやりたいことができなくなった
それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
理由1: 業務内容が多く仕事についていけなかった
ベンチャー企業は、企業規模が小さく従業員も数人〜数十人ですが、新しいことへ取り組んでいるため、社員1人1人に対する業務量が多くなります。
業務量が多いと必然的に残業は増え、労働時間が長くなるため、プライベート時間が減ったり、睡眠不足になったりするでしょう。そうすると、体力的にも精神的にもきつくなり辞めてしまう方がいます。
どんなに体力のある若者であっても、業務量が多すぎると心に余裕がなくなり、精神的に病んでしまい離職する方は多くいるのです。
理由2: 社内環境の不整備
ベンチャー企業は、新しい事業を始めたばかりで、まだ会社の基盤が整っていないことの方がほとんどです。
多額な資金があるわけでもないため、研修生制度や残業手当、家賃補助など、福利厚生が手薄で、社員に対しては最低限の制度しか整備されていません。
それに対して、大手企業などの福利厚生は、資格取得手当や新人研修制度、育休制度など、とても手厚い制度が整っています。
そのため、人によっては大手企業などの福利厚生が魅力的に思い、手厚いサポートが充実している会社へ転職をしてしまう方もいます。
理由3: 起業するための準備期間としている人が多い
ベンチャー企業には、「将来自分で事業を起こしたい」「ベンチャー起業での経験や実績を次のキャリアに生かしたい」と考えて入社している人もいます。
そのため、大手企業などに入社する人とは異なり、そもそも定年退職するまで働き続けることは考えず、数年働いたら辞めることを視野に入れているでしょう。
キャリアアップの踏み台としてベンチャー企業に入社している人は、明確な目的を持っていることが多く、自ら起業をしたり、転職に成功したりして、辞めていく人が多くいます。
理由4: 会社都合で自分のやりたいことができなくなった
ベンチャー企業は、新しい事業に挑戦しており業績が安定していないため、突然の倒産リスクも考えられます。その場合、会社の経営判断によって、大きく事業転換をしたり、規模を縮小したりと、さまざまな変化があるでしょう。
自分のやりたいこととマッチして入社したベンチャー企業であったとしても、入社後には、やりたかったことができなくなることもあります。
やりがいを求めて入社する人が多いベンチャー企業では、自分のやりたいことができなくなったことで転職をしてしまう方もいるでしょう。
離職率が高い企業に入る2つのデメリット
ベンチャー企業に限ったことではないですが、離職率の高い企業への入社は、以下2つのデメリットがあります。
- 辞職するハードルが低く社員が辞めやすい
- 業務内容が目まぐるしく変化する
それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
デメリット1: 辞職するハードルが低く社員が辞めやすい
離職率の高さは、辞めようか迷っている社員にとっては、辞める決断のハードルを下げます。
なぜなら離職している人が多ければ、多くの人が辞めているのだから、辞める決断は正しいことだと思い込むからです。
逆に離職率が低い場合は、辞めることは間違っているのではないかと思い、なかなか決断できないでしょう。
辞めることへのハードルが低く、社員が次々と辞めていってしまうと、人手不足になるだけではなく、離職率だけが高まる一方で、いつまで経っても優秀な人材は安定しません。
デメリット2: 業務内容が目まぐるしく変化する
離職者の多い企業では、担当する業務内容が頻繁に変化します。
その理由は、離職者が担当していた業務は、残された社員の誰かが引き継ぎ、担当していかなくてはならないからです。離職者が出るたびに、社内では業務内容の振り分け、もしくは業務内容の変更が行われるでしょう。
特に中堅層など、たくさんの業務内容を担当していた社員が離職する場合には、大きく業務内容が変更になることも考えられます。
業務内容が変化するだけでなく業務が大幅に増える際には、残された社員にとって、精神的にも体力的にも大きな負担となるでしょう。
また、デジタルマーケティング企業への転職を検討している人は、下記サイトが詳しくまとめられているので、よろしければご覧ください。
参考: digireka! デジタルマーケティング人材の為の転職メディア
ベンチャー企業は離職率が高いけれどリターンが大きい
ベンチャー企業の離職率は、一般企業と比較して高いと言われています。しかし、それが単純にブラック企業を示しているわけではありません。
離職率が高いのは、ベンチャー企業へ入社する人の多くが離職率の高い若者層であることや、そもそも規模の小さな会社であるために、業務量が多かったり、社内環境が整っていなかったりするからです。
離職率の高い企業に入社するデメリットを理解した上での選択であれば、必ずしも入社を避けるべきとは言いきれないでしょう。