Webサイトからの流入を増やすために、多くの企業がWebサイトを独自に構築し、コンテンツマーケティングの運用をしている現在では、Webアナリストの需要も増加しています。また、エンジニアを中心とした技術職のフリーランス化も増加している中で、フリーランスのWebアナリストも増加してきた気がしています。
本記事では、Webアナリストはフリーランスがいいのか、それとも企業に所属するインハウスがいいのかという問題の是非について書きます。
ページコンテンツ
フリーランサーが増加してきている
2018年度は、副業元年とも言われており、本業を持つ人がもう一つの仕事を行う心理的マインドが醸成されただけでなく、受け入れ側も寛容になったことから、特に技術職フリーランサーが増加しています。これは、エンジニアだけでなくWebアナリストも同様で、中小企業から大企業までの業務委託契約をベースにした案件が急増している印象があります。
アメリカは元からフリーランスの割合が高いですが、日本もどんどん増えていくと思われます。
Webアナリストのフリーランス案件の例
実際にWebアナリストのフリーランス案件の例を挙げてみます。Webアナリストの職務範囲は以前の記事でも執筆しましたが、下記範囲プラスで広告運用やWebディレクター的要素も追加された案件が多いイメージがあります。
フリーランスの職務案件例
会社の規模にもよりますが、大手企業で60万以上から募集している会社の場合はWebアナリストというよりは、それより広範なBIやCRM連携などを含むテクニカルよりな案件が多く現実的ではないでしょう。本記事の読者の主な層は、SEOやリスティング広告を強みにしたWebアナリストの方々であると認識しています。
某事業会社Webマーケター案件
仕事内容:SEOの特定KWでは1位だが、それ以外のチャネルで流入増加の施策立案と実行 スキル要件:Webマーケの経験 頻度:週2〜3日 報酬:17万~25万/月
実は、Webアナリスト単体のポジションというのはほとんどなく、Webマーケターというポジションが該当します。ただし、Webアナリストと業務内容はほぼかぶります。条件を見ると、曖昧ではありますが、基本的に週2日稼働で17万以上というのはとても経済効率性が高いです。
某スタートアップWebマーケター案件
仕事内容:リスティング広告の運用、SEO対策アドバイスと実行、LPO、CRO スキル要件:リスティング広告運用の経験、SEO経験、Webマーケ全般知識、実務経験 頻度:週1〜4日 報酬:20万円~40万円/月
こちらは、リスティング、SEOだけでなくWebマーケティング全般のスキルが要求され、やや水準が高いです。週1日稼働でも20万円となっていることからも、やや大きな案件と言えると思います。
某マーケティング会社広告運用担当案件
仕事内容:メディア広告運用 スキル要件:Google/Yahooのリスティング広告運用経験 頻度:週1日 報酬:10万~20万円/月
こちらは、リスティング広告専任の案件となります。実はリスティング広告運用系の案件はかなり多いので、経験者はやるのはありかと思います。わたし自身は、以前SEO経験4ヶ月でシリーズBのスタートアップから週5日稼働で月40万円案件の契約書をいただいたことがあります。(個人的な事情で、結局契約はしませんでしたがwww)
どれくらいの職務経験が必要なのか
会社の規模にもよりますが、基本的には2~3年以上のWebアナリストとしての職務経験が要求されるケースが多いです。これは、やはり技術職の場合ですと技術が経験則的に上達するためです。しかし、会社によっては交渉によって少ない職務経験でも契約を結んでくれる会社もあります。
正直、フリーランスWebアナリストを外注する企業はリソース不足(人的、金銭面)のため外注しているということから、とにかく人が欲しいという場合が多いので、仲介サイトだけでなくとも直接提案ベースで乗り込んで価格交渉していけば獲得できるはずです。
フリーランスとインハウスの比較
フリーランスとインハウスの場合のメリットを挙げて比較してみようと思います。
フリーランスのメリット
- 自由な時間で働くことが可能
フリーランスの場合は、業務委託契約のため、契約の中で与えられた成果を出せていれば、基本的にはリモートでも良いという場合が多く、週1回のミーティングに参加するなどの場合が多いです。そのため、自由な働き方が実現できます。
- Webデータ分析業務以外の社内管理業務は不要
インハウスで分析業務をしている場合では、分析業務以外の社内管理業務を依頼されることがあり、Web分析だけやりたい人からすると非効率的な側面もあります。
- 他案件と掛け持つことでインハウスよりも給与が高い
フリーランスの契約の場合は、週の稼働時間が週2稼働くらいの工数のため、頑張れば1案件20万円以上として、3案件以上こなせればかなり収入が増えることがあり得ます。
インハウスのメリット
- 自社の事業を隅々まで理解した上でWebデータ分析が可能
インハウスの一番のメリットはこの点かと思います。インハウスで自社業務を普段から経験していると、外部契約のフリーランサーよりも業務内容に詳しいので、実業務から見えてくる事象もインサイトとしてマーケティング施策に活かせますし、分析効率がグンと上がります。
キリンの場合ですと、Webディレクターという立場ですが、全体包括的なマーケティング運営にも携わっていまして、SEOやリスティングだけでなく、メールマーケティングやビジネスチームとのKPI設定の交渉など広く見ることができています。
- 自社プロダクトの成果のためフリーランスよりも精神的に楽
基本的に、業務委託のWebアナリストの場合には、自社で維持して欲しいKPIをて適切な数字にできていないとクビを切られることがあります。しかし、インハウスの場合は、極論自社の数字のため、最終的な責任は自分にあるわけで、フリーランスに対する要件よりはゆるい要件の中で業務が行えます。
結局どちらがいいのか
フリーランスにも、インハウスにもメリット・デメリットがあり、結局がどのように働きたいかで変わってくると思います。以下に整理します。
フリーランスが向いている人
自分の裁量で仕事をして、きつい環境下でも成果を出す自信がある人はフリーランスでいくべきです。実際フリーランスで活動している人のほとんどは、独立心が強く、自走できる人が多い気がします。
インハウスが向いている人
1つの事業にがっつり入って全体感をみつつ、そこまで厳しくない状況下で仕事をしたい方がインハウスでいくべきです。業務のきつさは会社によりけりですが、確率的にインハウスの方がゆるいので、ここは重要な要素かと思います。
まとめ
本記事では、Webアナリストとして働く上で、フリーランスとインハウスのどちらが良いのか、その是非について説明しました。あくまでも私の主観が入っているので、絶対はないでしょうか、多くのフリーランサーと交流していますし、概ね妥当かと思います。今後もWebアナリストの働き方の面で書いていこうと思っています。引き続きよろしくおねがいします。