2018年に一念発起し、外資コンサルを辞めてこの世界に飛び込んだわけですが、1年間で僕の市場価値は爆発的に上がりました。エージェントによると現在年額650〜700万円の領域でして、マーケター 1年目の400万円の1.5倍以上です。
ITコンサルティング経験の約2年と比較しても、比べられないぐらいの経験値を得られた自負があるのでWebマーケターを1年やった成果報告をしたいと思います。
昨今では、「自由に働きたい」とか、「起業するスキルを身につけたい」、また「大手企業に就職したけどスキルが不安で将来が見えない」という方が大変多いですが、Webマーケティングはこれらの不確実性に対しての有効なリスクヘッジになります。
本記事では、Webマーケティング1年目の成果報告をしつつも、これらのスキルを活かして何ができるのかについて説明していきます。
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カズヤんの経歴のおさらい
初めに触れておきますが、僕のファーストキャリアはインド系ITコンサルティング会社でして、ITインフラエンジニアとして、ミドルウェアの運用業務を行なっていました。
その後、欧州系ITコンサルティング会社に転職して、アプリケーションコンサルタントをしていました。
その後にWebマーケティング会社に入りつつ、副業でWeb制作ディレクションやWebマーケティングコンサルを行なっていました。
その後現在の民泊会社でWebディレクターをするに至ったのですが、ここまでわずか3年です。整理すると以下の様な経歴です。
・ITコンサル企業 / エンジニア・・・1年4ヶ月
・ITコンサル企業 / コンサルタント・・・4ヶ月
・Webコンサル企業 / アナリスト・・・4ヶ月
・不動産系メディア会社 / Webディレクター・・・8ヶ月
Webマーケティング1年で行なった業務
Webマーケティング1年間で尋常じゃない量のアウトプットやインプットを行いましたので、ここで共有します。
1: Webマーケティングの知識・資格(インプット)
僕は手を動かしながらも形から入る人間なので、まずは資格を取りまくりました。Webマーケティング全般を学ぶためにウェブ解析士をとり、SEMで勝ち切るためにGoogle広告系の資格をとることを決めました。
・ウェブ解析士資格取得
・GAIQ(Google Analytics Individual Qualification)の取得
・Google広告(検索)
・Google広告(モバイル)
・Coursera 「SQL for Data Science, University of California, Davis」
検索エンジンで勝負したい場合には、これらの資格はすぐに取れるので速攻受験することをオススメします。
2: Webマーケティングの成果(アウトプット)
会社員として、また個人としての僕の経験について書きます。24時間365日常にWebマーケティングのことを考えてきたので、アウトプットの量が多いです。
Webコンサル会社アナリスト時代の成果(2019/2 ~ 2019/5)
Webコンサル会社時代には、戦略・運用・その他調査業務をしていました。この時はアナリストとして分析をするのがメインの業務でしたので、基本的には成果を見るのは社内の別のコンサルタントでした。
戦略・調査関連業務
- 電子書籍ECサイトの企画記事 バズ要素分析
- クリニックマッチングサイトの特定KW領域の順位低下要因調査
- ホテル予約サイトのインデックス減少調査
- ホテル予約サイトの特定KW領域の強化施策提案
- ウェディングサイトの特定KW領域の論理構造最適化提案
- クリニックサイトの順位低下要因調査
- 製造業コーポレートサイトの解析ツール不具合トラブルシュート
- 金融機関コーポレートサイトの特定KW領域の強化施策提案 など
運用業務
- 定期レポート作成
- 対策キーワードトラッキング
- キーワードリスト作成
- 記事コンテンツ構成案作成
- 構造化マークアップの実装チェック
不動産系メディア会社での成果(2019/7 ~ 2020/2)
事業会社に移りまして、以下の業務を行いました。この時にはWebコンサル会社時代とは異なり、売上をあげるためにWebマーケティングでどれだけ集客ができるかというところでグロースハックがメインの業務になります。
- 不動産ECサイトのオーガニック流入対策
- 不動産ECサイトのデジタル広告対策(リスティング、ディスプレイ)
- 不動産ECサイトのA/Bテスト
- 不動産ECサイトのサイト内検索アルゴリズム設計
- 不動産ECサイトのサイト内広告枠の効果測定
- 不動産管理サービスサイトのカスタマージャーニー設計
- 不動産管理サービスサイトの対策キーワードリスト
- 不動産管理サービスサイトの記事案作成
- 不動産管理サービスサイトの記事ライティング
- 不動産管理サービスサイトのデジタル広告対策(リスティング、ディスプレイ)
- 業務アプリケーションの業務要件定義と開発ディレクション
ここでは、売上をあげるためにできることはスピード感を持って全て実装しました。
個人での成果(2019/2 ~ 2020/2)
Webマーケティングは会社だけでなく個人でも挑戦が可能です。僕の場合は、Web戦略の提案とライターとしての記事コンテンツ作成に注力していました。また、このブログ以外にも個人でWebサイトをいくつか立ち上げようとしています。
- 個人名で取り組んでいるプロジェクト
- 「Webマーケターキリンのつぶやき」の開設
- ローカルマガジン「Koshigayazine」でのアナリスト
- Youtubeコンテンツ「京大出身データサイエンティストにデータサイエンスを聞いてみた」
- ノマドワーカー向け 作業スペース検索サイト「ノマドカフェ」の開設
2. チームで取り組んだプロジェクト(NDAのため公開不可)
- 関西シェアハウスサイトのSEO戦略策定
- 関西ローカルプロジェクトWPサイト構築
- フリーライターとしての記事提供
Webマーケティング1年間で手に入れたスキル
代理店と事業会社でWebマーケティングを1年経験したので、膨大なトラフィックのWebサイトの分析を行う機会に恵まれるので以下のようなスキルがつきます。
1: 市場と収益性の予測
Webマーケティングを行う上では、どんな時でも市場調査を行います。Webマーケターの場合には、検索ボリュームベースでシミュレーションを作ることが多いです。
検索エンジン、デジタル広告、SNSであれば検索キーワードや対象ターゲット数をツールで取得可能です。ここにクリック数やCVRをかけ算してしまえば、大方の売上予測まで立てられます。
このような形で、どの領域のユーザーがおよそ何人くらいいてどれぐらい売上を上げられるかを調査するスキルが身につきました。
2: マネタイズ視点が身に付く
Webマーケティングをしていると、自然とマネタイズ視点が身につきます。
今現在僕は、以下2つのサイトを担当しているのですが、
・問い合わせ課金のECサイト
・リードジェネレーションサイト
いずれのサイトにも必ずCV(コンバージョン)があり、そのCVが最終的にどれだけ成約するかを効果測定するのが業務の1つです。
常にどの様にすればCV数を高めることができるのかを考えているので、自然とマネタイズ視点が身についていきます。
3: スタートアップ役員との交流増加
Webマーケティングは大手の会社はもちろん、スタートアップ企業で活発に利用されています。これは、大手企業がブランディングに注力したマーケティング活動を行う一方で、中小企業ではパフォーマンスに特化したマーケティング活動を行うためです。
関連ページ:
パフォーマンスマーケティングとは? ブランドマーケティングとの違いも説明
結果として、スタートアップのマーケター界隈での交流が増え、CMOやCTOの方と仲良くなる機会が増加します。
そうすると、役員レベルのプレーヤーがどうやってサービスをグロースさせているのかを聞くことができるので、自分自身もプレイヤーとしてビジネスを高い視座で見ることができます。
4: 技術に対する理解が深まる
Webマーケティングをずっとやっているとグロースハックのために必要な技術に対する理解がグッと深まります。
もともとエンジニア出身なのですが、フロントエンドやPHPなどの理解があったわけではなかったです。今あらゆるWebサイトを見ている中で常にA/Bテストをしたり、グロースハックの仮説を出す中で、エンジニアと課題点を共有したり、時には自分でスクリプトを書いたりすることで、サイトをグロースさせるために必要な技術面の話についていける様になります。
関連ページ:
【書評】「Hacking Growth グロースハック完全読本」でグーロスハックを学ぶ
5: 年収が1.5倍以上増加
Webマーケティングは1年やっているだけでも市場価値が高まり年収が一気に上がります。僕の場合にはWebマーケティングを初めてやった時の市場価値は年収400万円レベルでした。
しかし、1年経った状態の今で、エージェントから紹介される求人は600~700万円の外資系の求人が多いです。
次の会社をスタートアップではなく、予算のある外資系の会社に絞っていることもありますが、市場価値が単純に1.5倍(= 600万円 / 400万円)増加しています。どう見てもコスパがいいです。
総括して
外資系ITコンサルティングファーム時代には、社会人2年目で年収が500万以上がベースになっていたのでWebマーケター時代よりも高かったです。
当時はWebマーケターになった今を想像できなかったですが、転職してよかったと思っています。たった1年の経験ですが、ITコンサルタント時代よりもスキルのつき方や年収の上がり幅も大きいです。そして何より個人でメディアビジネスができることが強いと思います。
僕の外資コンサル時代の友人のうちの何人かもブログをしたりしていますが、個人で身につけられるWebマーケティングスキルも実は限界があります。
個人の場合にはSEOに特化しがちで、有料検索などのチャネルに触れられる機会が少ないので、一旦短期間(少なくとも1年)はWebマーケティング会社に入社することを強くオススメします。