現在、ディレクターとして都内事業会社につとめつつも、個人でWeb制作案件のディレクションを先日初めて受注しました。一応、企画、デザインまでを私が担当して、コーディングをフロントエンドエンジニアに依頼して行うような小規模の案件です。

多言語対応も要件に入っていて、内容としてはWordpressを活用したリードジェネレーションサイトでして、ページ数は30ページ(ブラウザ5ページ、スマートフォン5ページの3言語分)となります。また、サイトローンチ後に海外向けのコンテンツも投下することになっておりまして、そのSEOコンサルティングも別契約でやっていくような案件です。

個人で受注した案件の詳細とこのような個人受注案件での気づきを共有して、今後個人で制作やwebコンサルティングサービスを展開したい方々にとって有益な情報をお届けしたいと思います。

そもそもの個人案件受注の経緯

最近では、個人でWebサイトを受注するフリーランスのWebデザイナーは増加しているようです。私自身もまさか自分がこの領域で仕事をすることになるとは夢にも思わなかったです。しかし、サービスの過剰供給で仕事を取るのが難しいと思いきや、営業次第で仕事は取れると思います。

よっぽどWebデザイナーとしての実績がなくても個人事業主さんでwebサイトが欲しい人というのは多くいるので、人脈を広げて案件獲得につながることはあります。私の場合は、たまたま住んでいたシェアハウスのオーナーさんと親しく、サイト制作の依頼をしてくれました。他にも結局受注はしませんでしたが、売上5000万前後の事業主さんに提案したりすることはありました。

初めての個人受注案件で気をつけるべきポイント

WordPressベースとは言えど、Webサイトを納品して自身の経験とポートフォリオを充実させたいという気持ちが先行して早速作業に取り掛かりましたが、作業をする中で諸々のコミュニケーション方法が確立されていないことからクライアント、内部でも相当苦労しました。これらの中からWebサイト受注前後の抑えるべきポイントを共有します。

無理なことは引き受けない

まずこれは非常に当たり前のことですが、できないことはやるべきではないと思いました。恥ずかしながら、WordpressベースのWebサイトの場合は、追加機能の要件があっても大抵はphpの書きかえを行なってWordpress自体をカスタマイズすれば問題ありません。しかしながら、phpの参考情報がネットに出ていなかったりすると、自分で調べてそれを作り直す必要があります。今回の案件の開発担当のフロントエンドエンジニアも学習期間6ヶ月、実務経験1ヶ月というジュニアレベルのため、そもそものバックエンドの箇所で難しいところを受けないほうがいいと思いました。

ただし、エンジニアとしてメインでやっていきたいという方の場合はややチャレンジングでも技術向上のために仕事を引き受けるのは大いにアリかと思います。言い訳ですが、私はあくまでその先のSEOコンサルがしたかったので、ここは本当に制作会社を使ってもらうか、もっとシニアのエンジニアに外注するなどすべきでした。

キックオフミーティングは必ずやるべき

プロジェクトがスタートしてからのコミュニケーションの齟齬というのは本当によくある話でして、プロジェクトがスタートした段階で、キックオフミーティングを行い、ディレクターとワーカー、ひいてはクライアントとの意識を共有する必要があります。

今回はこのプロセスを踏まなかったため、エンジニアは基本的に僕の指示を待ち、クライアントには同じことを何度も説明するような局面があり、結構しんどかったです。

担当範囲を必ず決めておく

プロジェクトが進んでいくと、当初こちらが提案して合意を得たはずの要件にクライアントが色々な追加注文をしてきます。その注文の範囲は多岐に渡るのですが、今回驚いたのは、webサイト制作初期の段階で合意した、画像、テキストの件です。

これらはクライアント側に用意してもらうことが決まっていたのですが、こちらがデザイン案を作成した後に、クライアントにデザインの承認を得て、追加のテキストと画像請求する際に、「それはこちらで用意すると思っていた」とお声がけいただいたのですが、当初の担当範囲を口頭で済ませていたため、このようなことが発生しました。幸いにもクライアント側でやっていただくことになり、鎮静化したのですが、担当範囲を明確に決めておかないと後々に苦労します。

課題管理表を活用すべき

これも絶対するべきです。今回プロジェクトを進行する上で、基本的にFacebookメッセンジャーで意見交換を行い、詳細なデザイン箇所や進捗共有と今後の作業説明などを2週間に1回直接あって調整していました。プロジェクトでは、予想もしない課題が途中で出てきたりして、随時解決しないことには先に進めません。

私はITコンサルタント時代には、必ず課題管理表が存在して、そこには、

課題番号、発生日、タイトル、内容、アクション、担当者、期日、ステータス

などを明記し、進捗確認時に随時確認を行っていました。今回もこのような課題管理表を用意していたおかげで常に最新の課題をトラッキングして、コミュニケーション不足の事態でもある程度はまとめられたように思います。

使う側のリテラシーが圧倒的にないことを念頭におく

個人的に一番大変なポイントであると思っています。

多くの方は、webサイトを発注してくるお客さんだからある程度の相場感なり、リテラシーがあるだろうと決めてかかりますが、蓋をあけると、発注側であるクライアントのリテラシーはかなり低い場合がほとんどです。特に、個人事業主や売上高5000万前後の会社からの発注の場合は、このリテラシーがとても低いことがしばしばあります。

通常Web制作では、Wordpressのテンプレートと使ったとしても必ずそこにコーディングやカスタマイズを加えて、サイトに変更を加えることが必要ですし、企画の段階でコンテンツマッピング(情報設計)を行うなど割と工数が必要なため、案件の提案金額も20万~30万となることが一般的です。

しかし、昨今ではワンパターンなWordpressテンプレート販売業者のせいで5万円前後でWeb制作が可能であると事業主側が考える謎の状況になっていますので、常にコミュニケーションをとってこの齟齬をなくす努力が必要です。


まとめ

今回は、初めての個人受注案件ということもあり、デリバリーの仕方を確立させていないことはすごく痛手でした。一緒にやっているエンジニアやクライアントにもやや迷惑をかけてしまって本当に申し訳なく思います。

ただその反面、このようなプロジェクトマネジメントの要点を学べたような気がするのでスキル習得の面では大変満足しています。

現在では、web制作フリーランスが溢れかえっているため、今後個人で制作を行う方々がいらっしゃったら、本記事が少しでも助けになれば執筆した甲斐があります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。