日本では、英語力を図る指標として何が何でもTOEICのスコアで図られる傾向があります。
しかし、古くから日本で英語を学ぶ人たちからしたら、英検1級最強説がまことしやかに囁かれていて、相関をはっきりさせようというのが、この記事の狙いです。
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英検とTOEICの特徴
まず、前提として試験形式が異なることを考慮しなければなりません。
英検は中学生から社会人まで幅広く総合的な英語運用力を養う
小学校における英語教育の義務化が制定されましたが、実際のところ日本人が本格的な英文法を学び始めるのは、中学生からかと思います。
英検自体も英検5級から受験可能であり、この5級が中学初級のレベルに該当します。1級で大学上級レベルに該当することから試験レベルを大学までのアカデミックな指標で捉えていることがわかります。
TOEICはビジネスパーソン向けの実用的な英語運用力を養う
一方で、TOEICはTest Of English for International Communicationの略でして、国際コミュニケーションのために特化して英語試験であることが名前からもわかります。また、TOEICの特徴として、ReadingとListeningのみの990点満点の試験となっていて、基本的にはこの2技能のスキル証明に利用されます。(最近では、WritingとSpeakingテストもスタートしましたが、いまだにこのReadingとListeningのみの試験を指すのが一般的です)
試験の違いまとめ
これらの違いを下記の表にまとめました。基本的には、英検の方が
項目 | 英検 | TOEIC |
正式試験名 | 実用英語技能検定 | Test Of English for International Communication |
運営団体 | 公益財団法人日本英語検定協会 | 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC) |
受験料 | 2000円(税込) ~ 9500円(税込) | 5725円(税込) |
試験項目 | 5級、4級 -> Reading、Listening
3級、準2級 -> Reading、Listening、Speakingの3技能 2級、準1級、1級 -> Reading、Listening、Writing、Speakingの4技能 |
Reading、Listeningの2技能 |
認定方法 | 各級を合格することで取得認定 | 990点までのスコアで認定 |
補足 |
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よくTOEICで言われる話なのですが、TOEICはスコア取得後にスコアの有効性が2年しかありません。この期間を超えるとTOEICスコア認定がなくなるため、公的に英語力を証明する際(大学、大学院出願時など)には、スコアの利用ができなくなります。一方で、英検は合格後も資格が失効することはありません。
また、一般的に、英検は「難しい問題をじっくり解かせる問題」であり、TOEICは「易しい問題を高速で解かせる問題」と言われることがあり、試験に求められる処理能力も異なる傾向があります。
英検級ごとのTOEICスコア分布
先述のように、英検とTOEICはあらゆる側面で違いがあります。そのため、異なる試験を一概に比較することは不可能です。しかし、いずれも英語運用能力を計る試験であるため、ある程度の相関はあると思われます。
だって、英検1級のリスニングがめちゃくちゃ出来たらTOEICのリスニングはほとんどわかりますもんね。ちなみに、以下は2015年に文部科学省が公表した資料の引用です。
引用元) リンク
この資料によると、英検準1級取得者のTOEICスコアは785点以上となっております。私が英検準1級、TOEIC790点というスコアなので、この数字は相当ドンピシャかと思います。また、英検1級取得者のTOEICスコアは945点となっており、やや高いように思いますが、これも結構的を射ているような気がします。これは、今後私がスコアを更新した際に再度確かめたいと思います。
最後に
今回は、英検とTOEICの相関について書いていきました。結果として、試験内容は異なれど、基本的な英語運用力で通ずるところは大いにあるため、点数の相関はあると結論付けます。また、英検もTOEICも近年少しずつ難易度が上がっているようでして、特に英検は2級~1級で英作文問題は難化しましたし、TOEICもリスニング問題の登場人物が2人から3人になったりと試験も変わってきています。
今まで、英語学習をかなり適当に行ってきたので、今後はこれら試験を詳細にウォッチングしながら自身の英語力向上にも努めていきたいと思います。