Webマーケティングを行う上で適切なKPIを設定できているでしょうか!?

若手の方でもすぐに携われる業務でありながら、筋道立ててKPI設定根拠を説明できる人は少ないような気がします。
そこで本記事では、WebマーケティングにおけるKPIの設定方法を注意点について説明したいと思います。これからWebマーケティングを始める人や、初心者の方は必ず読んで欲しいです。

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WebマーケティングにおけるKGIとKPIについて


KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)は、マネジメントでは絶対に出てくるキーワードですが、Webマーケティングにおいても必須のキーワードです。

Webマーケティングでは、サービスの売上成約数がKGIとなり、広告クリック数CPAオーガニックセッション数検索順位コンバージョン数などがKPIとなります。

Webマーケティングで厄介なのが、扱っているWebサイトによってKGIやKPIが異なる点です。以下で詳しく説明します。

WebマーケティングにおけるKPI設定方法

WebマーケティングでKPIを設定はそこまで難しくありませんが、手順があるのでそれに従って取り組むようにしましょう。設計を誤ると後続のプロセスの全てが狂うので適切な手順でKPIを設定しましょう。

事業目的から逆算してKPIを設定する

WebマーケティングのKPIは、事業の目的から逆算して設定するようにしましょう。

ECサイトを扱っている会社ならば、コンバージョン数がKPIとなりますし、ちょうど私が見ている不動産会社などのリードジェネレーションサイトの場合には、商談率や受注率もKPIとなります。また、コンテンツ系のメディアサイトの場合にはより多くの人に見られることが目的となるため、PV数やセッション数がKPIとなります。

私が得意な不動産会社サイトの場合には、以下のように考えます。

まず、不動産管理会社の月間獲得目標(売上)が1,000,000円だとします。この目標金額は事業計画として事業部ごとに全社目標を元に設定されるものであり事業のKGIとなります。

そして、不動産管理サービスの売上が1物件あたり50,000だとすると、月間20件の成約を獲得することで目標金額を確保することができます。月間20件の管理対象物件を獲得するために、どれだけのアクセスを獲得するべきかを考えましょう。

まず、問い合わせに対する成約率が12.5%だとすると、必要な問い合わせ(CV)は160件(=20件×8)となります。またWebサイトのCVRが1%であると仮定すると、必要なセッション数は16000セッション(=160件×100)となります。これを整理すると以下のようになります。
不動産管理会社のKPI設定イメージ
ここではサイト流入後の直帰率と回遊離脱率については割愛しているので簡易的なイメージとなりますが、このように事業から逆算してKPIを設定するという流れがWebマーケティングでのKPI設定方法となります。

目標達成に必要な要素を洗い出す

KPIを設定する時には、KGI達成に必要な要素をくまなく洗い出しましょう。
よく「もれなくだぶりなく」という意味のMECEという言葉が使われますが、KPI設定も同様です。

上記の不動産管理会社のKPIについても、可能な限り出すと以下のようなKPIが設置できるのではないでしょうか!?

・全チャネルセッション数
・直帰率
・回遊率
・離脱率
・問い合わせ遷移率
・CVR
・CV数
・成約率 …..

まだまだ出せますが、多ければいいという訳ではなくて管理しきれる範囲内でも可能な限り出しておくことで、改善がしやすくなり目標達成に近づきます。

KPI設定の注意点


このようなフレームワークが溢れているからといって闇雲に当てはめるようなことをしてはいけません。KPIを設定する時には必ず以下のことに気をつけましょう。

KPIとKGIに整合性があるか

KPIとKGIには整合性がなければなりません。

これはKPIを達成したとしてもKGIが達成されないようなKPIは正しく設定されていないということです。

例えば、サポートサイトでは離脱率がKPIとなる場合があるのですが、ECサイトのKPIとして離脱率が設定されているのは不適切です。必ず事業目的から逆算したKPIを立てましょう。

KPIは測定できる指標であるか

KPIは測定できる指標でなければいけません。

通常Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで解析を行うことになるはずですが、このツールで取得できないような定性的な指標は極力排除して考えましょう。

例えば、成約率を分析するためにある程度のユーザ属性データを必要としていて、実際はわからないのに当てずっぽうでユーザの性別や年齢を入れるようなことをすると正確な分析に活かせません。

滅多にないでしょうが、測定可能な定量値を指標としましょう。

KPIは達成可能な目標であるか

KPIは達成可能である必要があります。

KPIが絶対に達成できないようなものであるとどれだけ頑張っても近づかないためか、モチベーションが低下しやすいです。常にモチベーションを維持できるようにKPIは個人やチームのスキルに見合った指標を選択しましょう。

KPIに達成期限が設けられているか

KPIを設定する際には、具体的にいつまでに目標が達成されるべきであるかということも定めましょう。

期間を定めずに業務を行なっていても質の高い成果は見込めません。年間計画はもちろんですが、四半期ごとにKPIを確認して毎月、毎週その目標に近づいているかを確認できることが大切です。

逆にこれらの基準が満たされていないKPIを設定してしまうと事業があるべき姿にいつまでたっても近づけず成長しません。WebマーケティングのKPIを適切に設定できるようにこれらを意識するようにしましょう。

さいごに

本記事では、WebマーケティングにおけるKPIの概要とKPIの設定方法についてご紹介しました。WebマーケティングにおけるKPIについて以下をおさえるようにしましょう。

まとめ1: KGIは事業の目標、KPIはKGI達成のための重要な指標
まとめ2: KPIは事業目的から逆算して設定する
まとめ3: KPIが以下の要件を満たしている
  -KPIとKGIに整合性があるか-
  -KPIは測定できる指標であるか-
  -KPIは達成可能な目標であるか-
  -KPIに達成期限が設けられているか-

KPIを適切に設定するスキルを身に着けることで、Webマーケティング戦略はもちろん、事業戦略策定にも活きるスキルとなります。今のうちにこのスキルを身につけて市場価値をさらに高めて行きましょう。