昨今では、テクノロジー、イノベーションがさけばれ、日本においてもベンチャー企業の数が増えてきました。
また、多くの方がベンチャー企業とスタートアップ企業は基本的に同義と考えています。日本においては、スタートアップとベンチャーが混同して使用されているようです。しかし、2つは大変異なるものであり、本記事にて整理したいと思います。
スタートアップ企業とは
日本においては、ベンチャー企業と混同され、「スタートアップ」と「ベンチャー」がほぼ同意で使用されることがありますが、スタートアップ企業は、今までの世の中に無かったようなサービスや世の中の形を生み出すようなイノベーション創出が期待される中小規模の企業を指します。圧倒的な成長スピードを求められる競争の著しいマーケットにおいて、大変重要な役割となります。
成長に対する捉え方
スタートアップ企業は、圧倒的な速度で成長することが期待される企業として存在します。
これは、スタートアップ企業が競争激しい市場で、生き残らなければいけないという前提と社会課題を解決するという強いイノベーション創出に対する根本的な意識が由来しています。これらの企業は、主にTech系の企業であるため、時間的・空間的制約の無い状況下でオンラインでビジネスを行うことで、圧倒的なスピードで成長しています。
資金調達に対する捉え方
スタートアップ企業は、資金調達に対する考え方がベンチャー企業と異なります。
ベンチャー企業は、ローンや助成金などで資金調達を行いますが、スタートアップ企業はエンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金調達して事業を行います。通常、ベンチャーキャピタルは投資先企業の株式の一部を買い取り、Exitのタイミングで売却することになります。
また、ベンチャー企業では投資家に対して一定の周期で事業KPIの報告を行いますが、スタートアップの場合は、ベンチャーキャピタルが経営に関するあらゆるアドバイスを行い、事業の推進をサポートするといった点も異なります。
Exit戦略に対する捉え方
Exitとは、スタートアップの上場(IPO)、もしくは事業売却を指します。
このExitに対する考え方がベンチャー企業とスタートアップでは異なります。
スタートアップの場合には、ベンチャーキャピタルから資金調達することになるため、投資元のベンチャーキャピタルは投資先企業のROI(Return On Investment)を最大化するために、適切なタイミングで株式を売却したいと考えます。スタートアップ企業は圧倒的な速度で成長し、最も高い株価を上げ、投資先(エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル)に収益をもたらすことが重要な要素になります。
その文脈では、すでに上場しているベンチャー企業などは、スタートアップ企業とは言えないと思われます。
キリンの個人的な考え
私が思うに、スタートアップとベンチャー(中小企業)は数字に対する執着がだいぶ異なります。
あくまで主観ですが、スタートアップでは目標を決めたらやりきる為の熱量が凄まじいです。そのため業務量も個人の限界値を超えることがよくあります。これはそもそも、ミッションに共感してジョインする人が多いため、幾多の苦難があってもやり遂げるための意識を強く持ち合わせているメンバーが多いためです。
一方、中小企業の場合は、社長のワンマンになりやすく、目標が高すぎる場合に妥協が許される緩い組織が多いのではないかと思います。私は、結構自分を追い込んで苦難の中から成果を出すことが当たり前の世界でしたので、今携わっている中小企業では、この働き方が理解してもらえないことが多いです。
あくまで、私の経験内の世界のため異なるケースもあると思いますが、概ね妥当な推察かと思います。
最後に
ここまで、スタートアップとベンチャー企業との違いについて書きましたが、基本的には「ベンチャーキャピタル」「Exit」という2つのキーワードを押さえておくことで説明がつきそうです。
私はファイナンスバッググラウンドでは無いですが、スタートアップを知ることで現在のTechビジネス、企業における資金調達の仕組みなどが詳しくわかるので、今後も継続的にインプットを続けてみようと思います。