・赤字のベンチャー企業に転職するリスクを知りたい…
・健全なベンチャー企業の見分け方について知りたい…
上記の疑問に答えるべく本記事では、以下について説明します。
① ベンチャー企業が赤字経営になってしまう理由
② 赤字のベンチャー起業に転職する際のリスクや注意点
③ 健全なベンチャー起業を見分ける方法
ベンチャー企業に入社したいと考えていても、多くのベンチャー企業が赤字経営をしていることに不安を覚える志願者は多いはずです。
ベンチャー企業は多額の資金調達により、経営初期は赤字で運営されることが大半です。
本記事では、ベンチャー企業が赤字の理由や転職する際の注意点について詳しく解説していきます。
また、本記事の想定読者は以下となります。
・ベンチャー企業志望者(大企業への転職か迷っている)
・転職を検討している大企業勤務者
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ベンチャー起業が赤字になってしまう3つの理由とは?
まず初めに、ベンチャー企業はなぜ赤字になりがちなのかについて理解しておく必要があります。
そもそもベンチャー企業は、外部の投資家(VC: ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家など)から資本を集めてビジネスを展開するような組織を指します。
そのため、莫大な投資を行い長期的に利益を獲得していくようなビジネスモデルを指します。
こういった事項を前提に各理由について見ていきましょう。
理由1: 短期的な利益よりも長期的な成長が優先されるため
ベンチャー企業では、短期的な利益獲得よりも長期的な組織成長が優先されます。
これはベンチャー企業が投資家から自社株式と引き換えに多額の資金調達を行い、事業成長させる組織的な仕組みが起因しています。
よって、赤字がベンチャー企業の成長にとって悪いものであるとみなされないということです(もちろん組織によりますが…)。
理由2: 市場シェア拡大のための投資が必要となるため
ベンチャー企業では、通常の中小企業と異なり、既存市場に対して製品・サービスを投下するわけではありません。
多くは今存在しない新たな市場を作り出し、市場を牽引しつつも自社の市場シェアを維持・拡大することが求められます。
新たに市場創造する場合には、莫大な資本力が必要になります。
多くのベンチャー企業が投資家から期待されることとして、これら市場シェア拡大のためにメディアへの投資、広告費の投資による自社サービス潜在層の顕在層化が期待されています。
このような観点において、ベンチャー企業が初期に赤字になってしまうのは致し方ないという見方がなされます。
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理由3: ベンチャーキャピタル(VC)からの調達が多く無理に黒字化させる必要がない
多くのベンチャー企業は、ベンチャーキャピタル(VC)からの調達を受け、事業を展開しています。
一般的にVCは短期的な利益創出を求めるわけではなく、長期的な企業成長を期待しているため、短期的に黒字化することを企業に求めていません。
結果として、未上場のベンチャー企業は赤字経営となっていることが多くなります。
とはいえ何年赤字が許容されるのか?
赤字の状態が何年までなら許されるという明確な数字はありません。しかし、手元に資金が無くなってしまえば、企業として存続することはできません。その場合は倒産することになるでしょう。
赤字でも問題なく存続できるベンチャー企業は、資金が尽きる前に売上で回収できる見通しがある場合か、追加で出資や融資を受ける予定がある場合のどちらかです。
出資や融資を受けることで、上場していても赤字の企業はあります。そのため企業の事業に将来性や魅力があれば、赤字でも資金が集められるので問題はありません。
しかし、あまりにも長い間、赤字の状態が続けば信用が無くなり、出資や融資をしてくれる企業、投資家の方々はどんどん少なくなっていくでしょう。
赤字のベンチャー企業に転職する際の4つの注意点
赤字の企業でも将来性はあります。しかし、赤字の企業に転職するのに不安を抱く方も多いでしょう。そのため、赤字のベンチャー企業に転職する際に注目すべきポイントを4つ解説します。
1: 会社の方向性が変わる
2: 止むを得ない配置転換が起きる
3: 倒産しても社員は実害を受けない
4: 倒産しても価値のある経験が得られる
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
注意点1: 会社の方向性が変わる
ベンチャー企業は、そもそも発展途上の企業です。そのため、会社の状況によっては、会社の方針が突然変わったり、臨機応変に対応しなくてはならなかったりすることがあります。
そのため、従業員には柔軟に対応することが求められるでしょう。定まったルールや決まった型通りに業務をこなしたい人には向いていないかもしれません。
赤字のベンチャー企業に転職をする際には、変わる可能性がある会社の経営方針ではなく、変わることのない経営理念に着目して、企業選びをするのがよいでしょう。
注意点2: 止むを得ない配置転換が起きる
赤字のベンチャー企業では、会社の経営方針だけではなく、担当する業務内容が大きく変わることも珍しくありません。
ベンチャー企業は、資金が少ないため多くの人材を雇用することができず、できるだけ少ない人数で最大の結果を出すことを考えていかなければなりません。
そのため、従業員1人1人の能力を最大限に引き出すための配置変更が起こることがあります。
赤字のベンチャー企業に転職をする際には、ある特定の事業内容に関わりたいという理由で転職先を選ぶのはおすすめしません。
注意点3: 倒産しても社員は害を受けない
赤字のベンチャー企業が倒産することはあり得ます。しかし、もし倒産した場合でも従業員は職を失うだけで、倒産が次の転職を不利にすることは決してありません。
そのため、赤字のベンチャー企業に入社する際は、企業が倒産しそうかどうかではなく、自分がその企業で、どれだけ自分自身の市場価値を高め、ステップアップできそうかに着目するとよいでしょう。
また、倒産は会社都合の退職となるため、6ヶ月以上雇用保険に加入していることが条件にはなりますが、失業保険を受けられるので、転職活動中の生活費に困ることはありません。
注意点4: 倒産しても価値のある経験が得られる
赤字のベンチャー企業は、倒産するリスクがあるため、職を失ってしまう可能性もあるでしょう。しかし、それ以上にベンチャー企業でしか得られない経験やスキルがあります。
そのため、ベンチャー企業でしか得られない経験やスキルを得たい人にとっては、赤字のベンチャー企業への転職もありでしょう。
ベンチャー企業は、ルールなどの基盤がまだ何もない状態のため、自ら考え行動する力が養われます。さらに、結果・成果を求められるため、成果に結びつけるために必要な思考力や判断力を身につけられます。
健全なベンチャー企業の5つの見分け方
ベンチャー企業に転職したいけど、すぐに潰れてしまいそうな企業は避けたいと考える方は多いでしょう。
そこで、健全なベンチャー企業かどうかを見分ける際のポイントを5つ解説します。
1: 市場が成長している
2: 事業が成長している
3: 優良なVCが出資している
4: 経営者のビジョンが明確
5: 優秀なメンバーがいる
それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
方法1: 市場が成長している
企業が取り組む事業の市場全体が成長していれば、将来的に大きく成長する可能性があります。そのため、現時点では大きな赤字だったとしても、その企業への転職を避けるべきとは言い切れません。
もしかしたら、将来的に大きく成長し、大企業に並ぶくらいの企業規模になるかもしれません。実際、コロナの影響でリモートワークやテレワークが広まり、IT業界の大きな成長により、売り上げを伸ばしたIT系の企業も多くあります。
企業の情報だけではなく、視野を広げて、世の中の情勢や市場全体の成長度合いに着目するのも大切です。
方法2: 事業が成長している
事業内容が明確で、その事業が成長している場合には、現時点で赤字だったとしても簡単に潰れることはありません。なぜなら、将来性があるため、投資をしてくれる企業や投資家、融資をしてくれる銀行がいるからです。
また、事業が成長しているということは、常に仮説と検証、実践と修正を繰り返しながら、前進し続けている証拠でもあります。
事業が成長していることで、将来性を担保に資金を集めることができ、資金があるから常に挑戦し続けられるのです。健全な企業かどうかを見極めるためには、事業の成長度もチェックするようにしましょう。
方法3: 優良なVCが出資している
ベンチャー企業が出資を受けているVC(ベンチャーキャピタル)が 優良かどうかは、健全なベンチャー企業かどうかを見極めるうえで大切なポイントです。
基本的にVCは、無担保で、返済義務・期限を決めずに出資します。そのため、優良なVCほど出資をする際、出資先の企業の事業計画や将来性などを厳しく審査しています。
厳しい審査をクリアして出資を受けている企業は、将来性が高く、これから成長していく可能性があるということです。
健全なベンチャー企業かどうかを見極めるためには、その企業に出資しているVCの出資実績や現在の出資先などを調べましょう。
方法4: 経営者のビジョンが明確
ビジョンとは、その企業が将来どう在りたいかを示したものです。そのビジョンを経営者が明確に示すことは、企業の一体感を生みだし、企業を大きく成長させます。
将来像が具体的に示されているからこそ、そこに向けた中長期目標、短期目標が立てられます。そして、細かい目標設定があると従業員は、バラバラになることなく1つの組織として機能するのです。
事業内容も大切ですが、経営者がビジョンを明確に定めていることはもっと大切になります。これから成長していくベンチャー企業を見極めるには、事業の内容だけではなく経営者のビジョンがどれだけ明確に示され、従業員に共有されているかにも注目しましょう。
方法5: 優秀なメンバーがいる
どんなに優秀な経営者であっても、与えられた時間は1日24時間と限られています。そのため、どれだけ1人で頑張ったとしても、企業を大きく成長させ、成功に導くことは難しいでしょう。
企業が大きく成長し、成功するためには、少なからず周りの支えが必要になります。経営者が優秀かどうかだけではなく、経営者を支える周りのメンバーがどんな人なのかは注目すべきです。
経営者を支えるメンバーが優秀なほど、企業は大きく成長し、成功する確率は高まります。健全なベンチャー企業かどうか見極める際には、経営者を支える周りの従業員が優秀かどうかを確かめるとよいでしょう。
ベンチャー企業の特徴を理解して後悔のない転職を実現しよう
本記事では、ベンチャー企業が赤字になりやすい理由や健全なベンチャー企業の見分け方について解説しました。
これからベンチャー企業に転職する際には、ベンチャー企業の特定を理解した上で入社することが非常に大切です。
本記事の内容を理解した上で、戦略的に転職活動を行い後悔のない転職を実現しましょう。